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1.庁舎の現在
1958(昭33)年、前野与三吉市長の下、建築家・佐藤武夫の設計により建設された旭川市総合庁舎は、56年の歳月を経て、今やすっかり街の風景にとけ込んでいます。竣工当時、旭川市の人口はおよそ18万、その後のまちの発展に伴い市役所の業務や職員数が膨らみ、現在、市役所機能は、第2、第3庁舎あるいは民間のいくつかのビルに分散していますが、総合庁舎は今なお多くの市民に親しまれる「まちの顔」です。庁舎の建設にあたり、当時の旭川市建設部建築課職員が佐藤武夫設計事務所に出向して設計に協力したことが、その後の旭川市の公共建築デザインに少なからぬ影響を与え、「旭川スタイル」とでもいうべき多くの優れた建築が生まれました。1959(昭34)年、日本建築学会作品賞、2003(平15)年には、近代建築の記録と保存を目的とする国際的な学術組織DOCOMOMOにより「日本におけるモダン・ムーブメントの建築100選」の一つに旭川市総合庁舎が選定された理由も、庁舎建築のプロトタイプとしての先進性に加え、地域の建築にアイデンティティーをもたらした独自性にあると思われます。
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