旭川市総合庁舎展の開催にあたって

1958(昭33)年、前野与三吉市長の下、建築家・佐藤武夫の設計により建設された旭川市総合庁舎は、57年の歳月を経て、今やすっかり街の風景にとけ込んでいます。竣工当時、旭川市の人口はおよそ18万人でしたが、その後のまちの発展に伴い市役所の業務や職員数が膨らみ、現在、市役所の機能は、第2、第3庁舎あるいは民間のいくつかのビルに分散しています。しかし、総合庁舎は今なお多くの市民に「まちの顔」として親しまれています。

 庁舎の建設にあたり、佐藤は自らが青春の一時期を過ごした旭川の風土に相応しい建築を模索し、コンクリートとレンガによるチェックパターンを見出しました。また、当時の旭川市建設部建築職員が在京の佐藤の事務所に出向して設計に協力したことが、その後の旭川市の公共建築デザインに少なからぬ影響を与え、言わば「旭川スタイル」とでもいうべき多くの優れた建築が生まれました。

 旭川市総合庁舎が、1959(昭34)年に日本建築学会作品賞に、2003(平15)年には、近代建築の記録と保存を目的とする国際的な学術組織DOCOMOMOにより「日本におけるモダン・ムーブメントの建築100選」の一つに選定された理由も、庁舎建築のプロトタイプとしての先進性に加え、地域のアイデンティティーを表象する建築デザインが評価されたからでしょう。

 旭川市で新しい庁舎の建設計画が浮上しつつある今、本展が、まちにとって庁舎建築の果たすべき役割を考える上で、いささでも参考になれば幸いです。

 最後に、本展開催にあたり、資料の提供や後援など、多大なご協力を頂いた方々に心から感謝を申し上げます。

 

                                   公益社団法人 日本建築家協会(JIA)北海道支部 旭川会

1.庁舎の現在
写真と図面
2.庁舎の誕生
企画、計画、設計、建設、市職員の関わり、庁舎の家具
3.庁舎のデザイン
源流と系譜「旭川スタイル」への展開
4.建築家・佐藤武夫
経歴と作品群、旭川とのゆかり
5.庁舎の評価
DOCOMOMO、学会賞、建築メディア
旭川市総合庁舎展
旭川会活動報告

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